サービスとデバイスの一元化をご希望ですか?

ブロードバンド
ビデオ
2022年第3四半期~第4四半期

消費者のデジタルライフの中心が家庭になり、仕事、私生活、医療、教育などの優先事項を支える場となる中で、顧客構内設備(CPE)の役割は進化しつつあります。

Ashwani-Saigal-Vice-President-Broadband_VANTIVA_2022-10ネットワークサービスプロバイダー(NSP)と消費者の関係も同様です。NSPから家庭に提供されるCPEといえば、かつてはエンターテインメント配信に接続するだけの機器でしたが、今やさまざまな重要な機能を担っています。ヴァンティーバ(旧テクニカラー)のブロードバンド事業部門VPであるAshwani Saigalによれば、だからこそ次世代のゲートウェイやセットトップボックスに対しては、消費者からもNSPからも、パフォーマンス、アダプタビリティ、インテリジェンス、セキュリティの大幅な向上に期待が寄せられています。

「この数年の出来事を背景に、NSPと消費者の関係が根本的に変わりました」とSaigalは述べています。「2020年3月までは、家庭のブロードバンド接続とは主にエンターテインメント体験を楽しむための贅沢品だと考える人が大半でした。しかも、ほとんどの体験を『ベストエフォート』型の接続性という条件付きで受け止め、期待値との調整を図っていました。回線不良で電波が途切れた場合でも、イラつきこそすれ、致命的な不具合とは考えなかったのです。」

現在、自宅で働く人、学ぶ人、家族とつながる人、診察を予約する人などの数は増え続けています。それに伴い、ブロードバンド接続は家庭に不可欠なサービスとして――CPEの課題を解く鍵としても――発展してきました。今では、安定した高性能なブロードバンド接続は、水道や電気と同じくらい重要なユーティリティとみなされています。

その結果、消費者からはCPEの機能や信頼性に極めて高い期待が寄せられています。

「NSPは消費者の高まる期待に応えるべく、CPE戦略を転換しています。CPEの設計やサービスの種類といった戦略的な決定を下す際には、速度、信頼性、効率に加えて、複数のサービスを1台で管理する機能も検討項目になりました」とSaigalは説明しています。

また、ここ数年でコネクテッドホーム市場の区分も微妙に変化しています。いわゆる「新しい生活様式」が具体化するにつれて、市場では接続性の基本要件が高まってきています。 例えば、オフィス勤務に戻るとき、パンデミック中に利用していた拡張サービスを継続し、他のサービスを利用しなくなる可能性があります。


「つまり、各ユーザーが異なるサービス要件に行き着く中で、NSPのインフラと宅内CPEはすべてに対応しなければならないのです。そうした細分化を踏まえ、技術上もコスト上も効率的な手段で全区分に対応できる機器を見極めなくてはならず、CPE戦略が複雑になります」とSaigalは続けます。

複雑化を促す要因はこれだけではありません。家庭での体験は以前よりずっと多様になり、必ずしもエンターテインメント中心ではなくなりました。スマートホームの発達により、インテリジェントデバイスやホームオートメーションがエンターテインメントサービス、Zoom会議、自宅学習などの帯域幅と競合するようになっています。NSPは、多岐に渡るデジタルトラフィックも管理しなければなりません。

「これらが相まって、家庭の無線ネットワークに大きな負荷がかかっているため、消費者のニーズに応じたサービス提供の鍵として、Wi-Fiが頭角を現しつつあります。 ただし、Wi-Fiの無線 スペクトルは共有媒体であり、不足している点が問題です。高いQoS(サービス品質)を確保するには、無線リソース割り当ての優先順位をつける仕組みが必要です」とSaigalは述べています。

これらのトレンドが集約され、よりパワフルでインテリジェントでオープンなCPE機器を開発・導入するビジネスが増えています。既存のサービスを維持しつつ、革新的な新サービスを投入する鍵となっているのです。


CPEの最適化によるコネクテッドホーム環境の価値向上

Saigalによれば、NSPはCPE戦略の策定にあたり、コネクテッドホーム環境の価値を確実に高めるために、3つの重点分野を設けています。

  • 一元化: NSPは、サービスを一元化しながら機器を提供していく方法を模索しています。つまり、単機能機器ではなく多機能機器の戦略をとろうとしています。「ヴァンティーバはNSPと連携して、オープンシステムと業界標準の活用を推し進め、コミュニティ内の技術パートナー各社の多様なアプリケーションに対応できるプラットフォーム技術を開発してきました。ヴァンティーバのCPEでは、そうしたアプリをユーザー自身でダウンロードすることも、NSPから加入者に配信することも可能です」とSaigalは言っています。

  • セキュリティ:コネクテッドホームがエンターテインメント系コンテンツ配信専用の環境でなくなった結果、セキュリティの優先度が――以前にも増して――高まっています。「個人情報、企業情報、銀行取引データはもとより、防犯カメラ、自動センサー、オートロックまでもがCPE機器を通して管理されています。これほど多種多様で膨大なデータを扱うCPEにおいて、セキュリティは絶対不可欠です」とSaigalは指摘しています。

  • 使いやすさ:コネクテッドホーム環境が複雑になると、機器、アプリケーション、サービスの直感的な操作性が何よりも重要になってきます。とはいえ、言うは易く行うは難しです。ヴァンティーバが入手したデータによれば、NSPのコールセンターでは、クリスマスから年末年始にかけて入電件数が急増するそうです。

「面白いことに、その大部分はネットワークのパフォーマンスに関するトラブルなどではなく、新しい機器をプレゼントされたのでホームネットワークへの接続を手伝ってほしい、という内容です。しかも、その多くはNSPから提供された機器でも、NSPが管理する機器でもないのです。ここから分かるように、消費者のデジタルライフを管理する上で、NSPが果たすべき役割も変化しています」とSaigalは述べています。「ヴァンティーバでは、機器のネットワーク接続を簡易化し、ひいてはコールセンターの入電削減を実現するために、Wi-Fi対応機器のWPS(Wi-Fi Protected Setup)やインテリジェントペアリングといったソリューションを開発しています。」

これらの要件を満たすと同時に、新たなサービスのための基盤を構築する鍵となるのは、堅牢でインテリジェントかつ持続可能なCPE機器を展開することで、世界中の家庭のデジタルライフを支えるインフラをコネクテッドホームに提供することと言えます。

インタビュー全文はこちらでお聞きいただけます (英語)

Also in this editionView all