人工知能と機械学習:家庭内外における優れたカスタマーエクスペリエンスの成功要因

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2022年第1四半期
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世界中のネットワークサービスプロバイダー(NSP)は包括的なビジネス変革プロセスのさなかにあり、個人的および仕事上の優先事項を専らデジタルアクセスで支えている顧客に向けて、新たなニーズへの対応を急いでいます。このプロセスの一環として、NSPは家庭内で取得したデータと分析からのインサイトを活用することで、顧客との関係性を見直しています。

テクニカラー・コネクテッドホームが主催した「カスタマーエクスペリエンスの未来」のエグゼクティブディスカッションでは、このような論点が考察されました。

エピソード2家庭内外のカスタマーエクスペリエンスに影響を与える最新テクノロジー

シームレスに統合された安全なサービスを加入者宅に提供するためには、消費者とNSPの関わり方を根本的に変える新技術が急速に台頭・発展することが中核となります。

「カスタマーエクスペリエンスの未来」イベントのパネルディスカッションでは、Tanja Richter氏(Vodafoneグループの消費者向け製品およびサービス担当ディレクター)、Marcio Avillez氏(CUJO AIのビジネス開発担当SVP)、Kara Heermans氏(Sonifiの製品管理およびUEX担当VP)、Mercedes Pastor(テクニカラー・コネクテッドホームのユーラシア地域担当社長)により、この話題が取り上げられました。

5G、AI、AR/VR、IoTなど、さまざまな技術がパネルの中で話題になりました。どの技術も劇的に新しい機能性を導入し、期待や顧客満足に影響を与えています。これまで未対応だった市場にブロードバンド接続をもたらす機能や、顧客の私生活や働き方を向上させるまったく新しいサービスを提供する機能が、前例のない速度で展開されています。

この対談の中で、原動力として他の何よりも際立ったテクノロジーがありました。それは、人工知能です。

VodafoneのRichter氏によれば、「AIは、ネットワーク運用を維持するために不可欠なコアテクノロジーです。また、顧客が使用しているアプリケーションの種類を理解し、ホームネットワークで実際に何が起きているかを可視化することもできます。それだけでなく、サイバーセキュリティの脅威を理解し、それを阻止する上でも重要な役割を果たします。」

CUJO AIのAvillez氏は、まったくその通りだと同意しています。コネクテッドホーム環境の複雑さが増すことは、悪意のある者にとっては好都合です。「AIと機械学習により、どのデバイスからどのようなアプリケーションが使用されているのかを把握できるようになっています。カスタマーエクスペリエンスを損なうことなく、家庭に対する脅威を特定するためには、こうした情報をリアルタイムで相関させ、分析することが必要です。現在、家庭用ブロードバンド加入者の主要な最前線のサイバーセキュリティ防御策として、NSPは1,500万近くの家庭でAIを活用しています。これらは今だからこそ実現できる価値提案であり、かつてのAIなしの環境では実現できなかったことです。」 

重要な洞察を捉え、効果的に分析し、自動的に行動する機能は、次の10年の半ばまでにNSPの重要な差別化要因として浮上し、2030年までに競争要件となる可能性が高いでしょう。これにより、より良いネットワークを構築し、より良いカスタマーエクスペリエンスを実現するための機会を得ることができます。

SonifiのHeermans氏は次のように述べています。「最高のネットワークとは、ネットワーク自体が自らを管理するため、消費者からは見えないものです。これにはインテリジェンスと自動化が必要です。技術者が大量のログを調べたり、複雑なダッシュボードを見たり、デバイスの送信設定を修正するために物理的な移動を指示したりする必要がなくなります。自己管理できるネットワークを最適化する機能は、最終的にエンドユーザーにとってはエクスペリエンス向上につながり、NSPにとっては効率性と収益性の高いオペレーションにつながります。」

テクニカラー・コネクテッドホームのPastorも同意見です。

「人工知能は、ネットワークのパフォーマンスを最適化するためだけでなく、家庭内で増大する複雑性を管理するためにも、重要な成功要因となるでしょう。このような顧客との高度なデジタルインタラクションにより、よりスマートでパーソナライズされたエンゲージメント

モデルが推進され、NSPは加入者のエクスペリエンスを管理する上でより大きな役割を果たせるようになります」とPastorは述べています。

本レポートに記載されている内容は、半日にわたるイベントで共有され議論された知見の一部です。 このパネルディスカッションのオンデマンドバージョン、イベントの他のセッションは、https://explore.technicolor.comでご覧いただけます。

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