屋内用の5G FWAモデムとWi-Fiルーターソリューションを発表

ブロードバンド
2022年第1四半期
5G

テクニカラー・コネクテッドホームは、最高水準の固定無線アクセス(FWA)モデムに高忠実度のWi-Fiルーター機能を一体化した屋内用の顧客構内設備(CPE)ソリューション「Cobra 5G」の発売を発表しました。

このデバイスは、トラフィックが住宅の壁を通過する際の信号の減衰によって生じる接続性とパフォーマンスの問題を解決します。5Gの最高速度を達成する方法としては屋外設置が依然として有効ではあるものの(『テクニカラー製5G Omni Outdoor CPE』を参照)、NSPはFWAサービスの総所有コスト削減を念頭に、一体型かつセルフインストール型の屋内CPEの設置を優先しています。

家庭への5Gアクセスの最適化

通信事業者は、新たに利用可能なCバンド周波数帯を活用して5G FWAサービスを加入者に積極的に展開していますが、減衰が足枷となり、信頼性の高い一体型の屋内ソリューションを提供できていません。

「FWA接続からの信号は、家庭内の壁などの障壁を通過するときに弱まります。このため、ユーザーはFWAアプリケーションに低帯域の5Gリソースを消費してしまいます。すると混雑が発生し、低帯域周波数を通常使用するスマートフォンやモバイルサービスに影響が出ます」と、テクニカラー・コネクテッドホームの最高技術責任者であるGirish Naganathanは述べています。「これは、ユーザーにとってカスタマーエクスペリエンスを低下させるばかりでなく、国内の3.5GHz帯オークションに多額の投資を行ってきた通信事業者にとって、投資利益を最適化する妨げにもなります。」

たとえば、一般的な固定ブロードバンドユーザーが1か月あたり300GBのデータを消費するのに対し、3.5GHz帯域以下で動作する4Gモバイル機器のプランは、1か月あたり平均30GBを消費します。FWAトラフィックの大部分が低帯域に押し込まれると、輻輳が発生し、パフォーマンスが低下してしまいます。

テクニカラー・コネクテッドホームのCobra 5Gソリューションは、画期的なIndoor5G™テクノロジーを通して、ダイナミックかつインテリジェントな方法でトラフィックを管理します。ゲートウェイデバイスの内部アンテナシステムの方向と構成を自動的に調整することにより、アンテナを自己最適化させ、通信事業者の電波塔から最良の3.5GHz帯を受信することができるのです。3.5GHzのダウンリンクおよびアップリンクのスループットパフォーマンスを向上させることにより、家庭用ブロードバンドの大容量のFWAトラフィックが低帯域にかける負荷を回避できます。

Cobra 5Gは、クアルコム・テクノロジーズの最先端の5Gソリューション(Snapdragon® X65およびX62 5G Modem-RF Systemを搭載したQualcomm® Fixed Wireless Access Platform Gen 2)を基盤とし、FWAを新しいレベルに引き上げます(カバレッジの改善、システム容量の増加、ユーザーエクスペリエンスの向上など)。Snapdragon X65には、8つのRXアンテナ設計、5Gダウンリンクの3つのキャリアアグリゲーション機能、200MHzの広い5G帯域幅、3.5GHz帯で3dB増の送信電力などにより、優れたパフォーマンスを実現します。これらの機能は、ネットワークが5G SAに移行する際、さらに多くのメリットをもたらすでしょう。こうした点から、Cobra 5Gは市場で最も将来性のある屋内CPEであると言えます。

「クアルコム・テクノロジーズのグローバル5Gにおけるリーダーシップとテクノロジーソリューションは、グローバルコミュニティ向けに費用効果とアクセシビリティの高い接続インフラストラクチャーを推進し、5GとFWAの普及と採用をサポートする上で、極めて重要です」と、クアルコム・テクノロジーズの製品管理部門バイスプレジデントであるGautam Sheoran氏は述べています。「テクニカラーがCobra 5Gでパフォーマンスとエクスペリエンスを向上させ、このエキサイティングなマイルストーンを達成したのは素晴らしいことです。」
テクニカラー・コネクテッドホームは、オープンで革新的な技術を通じて世界中のNSPをサポートするべく、絶えず努力を重ねています。今回の取り組みはその最新例です。クラス最高のCPEを開発し、最も独創的な企業と提携し、コネクテッドホーム・エコシステムを形成することで、NSPがシームレスな接続と高品質なエンターテインメント・エクスペリエンスを消費者に提供する一助となること。それが最終的な目標です。

家全体を網羅するWi-Fiカバレッジを提供

初期世代の4G/5GモバイルCPEテクノロジーは、消費者の家庭内サービスへの期待に応えるのに苦労してきました。平均よりも低いWi-Fiパフォーマンスや、マネージドサービスなどの革新的なサービスの欠如により、NSPは既存のFWAサービスを拡張することができませんでした。多くのFWAプロバイダーは、単にデータパイプを提供するだけに留まっていました。

Cobra 5Gはそれと対照的に、1億5,000万世帯を超える家庭に導入されているOpenWRTとRDK-B標準に基づいて、テクニカラー・コネクテッドホームのアプリケーション指向ミドルウェアを採用しています。したがって、家庭におけるエクスペリエンスを改善し、消費者による接続の管理と問題のトラブルシューティングに役立つサービスの展開を促進します。

テクニカラー・コネクテッドホームでは、これらのオープンテクノロジーに基づいてCobra 5Gを設計しているため、テクニカラー・コネクテッドホームのHEROパートナー企業によって開発されたサードパーティアプリケーション(セキュリティ、ゲーム、スマートホーム、データ分析、省エネなど)をCPEソリューションに事前に統合して、NSP加入者のニーズや要望を満たすことも可能です。つまり、NSPはファイバー、銅線、ケーブルの顧客と同じサービスをFWA加入者に提供できるようになります。

Cobra 5Gは、家の隅々まで500Mbpsのスループットで包括的なコネクテッドホームカバレッジを実現できるのです。規制で許可される最大電力を送信してWi-Fiカバレッジを最大化し、オープンな業界標準に基づくEasy Mesh R2ソフトウェアで実行されるエクステンダーによって補完することもできます。
「この製品は、NSPが単なるデータサービス以上のものを提供するためにあるのです。Cobra 5Gのミドルウェアは、新しい収益源を推進・開拓するアプリケーションの統合を可能にするでしょう」とNaganathan氏は述べています

 


QualcommおよびSnapdragonは、クアルコム社の商標または登録商標です。
Qualcomm 5G Fixed Wireless Access Platform Gen 2およびSnapdragon X65およびX62 5G Modem-RF Systemsは、クアルコム・テクノロジーズおよび/またはその子会社の製品で

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